前回のドライバー選び初心者さん編に続き、今回は『アイアン選びはここを見よう!初心者さん編』として、初心者さんがチェックしておきたいアイアンを選びのポイントをお届け。
アイアン選びの基礎知識
アイアン選びの考え方は大分類すると、オートマチックに「小さい番手で真っすぐ遠くに飛ばしたい」方と、マニュアル感覚で「飛距離よりも方向性や正確な距離を要求したい」方で分かれています。
初心者さんから見ると、どれも同じような形状に見えるかもしれませんが、ヘッド形状やシャフトなど自分に合わないゴルフクラブは、練習をがんばっても上達が遅くなる”沼”にハマる可能性もあるので、アイアンを見た時に何となくでも「どんな性格のアイアンなのか?」を、見極められる暗記を今日は勉強してみましょう。
アイアンの種類
アイアンは使う方のニーズに合わせ、数種類のヘッド形状があります。
アイアン ヘッド形状の種類 | |
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![]() | 直進性と飛距離性能に強くミスヒットにも強い特徴があり、初心者さんや女性が扱いやすく、アイアンの中でも「やさしい」カテゴリーになります。 |
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ロフトを少し立たせ、中空構造やハイテク素材など構造と異素材で飛距離と少し操作性を高めた特徴のアイアン。幅広いプレーヤーが扱いやすく新しいカテゴリーのアイアン。 | |
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バックフェース部を削り、余剰重量をヘッド周辺に配置。大型ヘッドは「やや、やさしく」、小ぶりなヘッドは中・上級者に向けた「ややむずかしい」カテゴリーで、各メーカーの軸になるモデルが多く発売。 | |
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小ぶりのシンプルな形状で、ボールを操り狙った場所に打ちたいニーズに向けた、各メーカーのフラッグシップになります。パワーと技術が要求される「むずかしい」カテゴリー。 |
とりあえず、マッスルバックは「むずかしい」という事を覚えておきましょう。
アイアンのロフト
アイアンの番手は、ソールに記載されている数字が大きくなるほどロフト角も大きくなり、クラブの長さは短くなります。各番手間のロフト差は4~5°刻みで10~15ヤードの飛距離差があり、ロフト角が大きくなるほど飛ぶ距離も短くなります。
ロフトはモデルによりマチマチ
アイアン ロフトの一例 | ||||||
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30°以下のロフトは飛距離を重視したやさしめで、30°付近のアイアンはやさしさと操作性、34°、35°とロフトが大きくなるほど正確な飛距離を求められる、上級者向けのアイアンが多くなっています。
【やさしい】アイアンと【むずかしい】アイアンでは、およそ2番手ほどのロフト差があり、【やさしい】アイアンは飛距離性能に特化しているのが分かります。
デメリットでは、【やさしい】【やさしめ】アイアンは狙った距離より飛び過ぎてしまう事や、ロフトが小さくなるほどボールが上がりづらい面があり、【むずかしめ】アイアンはある程度のパワーや、スイングがしっかりしてないと使いこなせない面があります。
・7アイアンのロフトをチェック。
・マッスルバックはむずかしい。
・ハンドファーストをマスター。
初心者さんのアイアン選びはココをチェック!
アイアンの見極め ソール幅
アイアンは地面にあるボールを打つので、地面と接地するソールの役割が大きくなっています。購入前には「ソール幅」の違いをチェックしておきましょう。
ソール幅が広いと低重心になりボールが上がりやすく、ダフりやトップのミスヒットにも強い特徴があります。ヘッドが大きいので、操作性よりは直進性の高い弾道が打ちやすい。
フェースの開閉がしやすく、弾道コントロールやラフからの抜けが向上します。幅が狭くなるほど操作性が高く、切れ味の良いショットが打てますが難易度も増してきます。
ソール幅は入射角に合わせて選ぶ
アイアンでボールを打つ時に、「入射角が浅いタイプ=ハンドファーストに自信がない」と「入射角が深いタイプ=ハンドファーストで打てる」など、自分の入射角とソール幅の相性を合わせておくのがおすすめです。
入射角の浅い方がソール幅の狭いモデルで打つと、ヘッドが芝に刺さりやすくダフリのミスが出やすくなります。入射角が浅い方は、ヘッドが芝に刺さるのを幅広いソールが滑り、ダフリを防ぎやすくしてくれます。
打点が安定しない方も、幅広いソールの方が打ちやすくなります。
入射角の深い方がソール幅の広いモデルで打つと、ヘッドが跳ねやすくなります。入射角が深い方はヘッドが跳ねるのを、幅の狭めなソールで防ぎやすくするのがおすすめです。
トップブレードの厚み
トップブレードの違いは、ソール幅の違いと同じような比較ができますが、アドレスした時に視界に入る部分なので、構えやすさにも影響してきます。
トップブレードが厚いアイアンは、目標に対して構えやすく安心感もありやさしいイメージがでます。直進性をイメージしやすく、フェース上部に厚みがあることで、ミスヒットにも強く当たり負けしづらい特徴があります。
トップブレードが薄いアイアンは、シャープなイメージがでます。ミスヒットにはシビアですが、フェース上部に余分な重量がないので、ヘッドの操作性を高めやすい特徴があります。
ネック形状の違い
シャフト中心軸の延長からリーディングエッジ(フェース下側)までの水平距離。
ネック形状は3種類に分かれてます。
・グースネック
・セミグースネック
・ストレートネック
シャフト中心軸の延長からリーディングエッジまでの距離が短く、ヘッドがシャフト中心軸よりやや後方にある形状。
ボールへのコンタクトが遅れることでフェースがスクェアに戻りやすく、オートマチックにハンドファーストインパクトしやすい、ボールのつかまりも良い特徴があります。
シャフト中心軸の延長線上からリーディングエッジまでの距離が長く、ヘッドがシャフト中心軸の中心付近にある形状。
グースネックと比べ、ボールへのコンタクトが速くヘッドの操作性が高い形状で、ボールのつかまり過ぎを抑える特徴があります。
セミグースネックは、ストレートネックよりもボールへのコンタクトがやや遅く、ほどよい操作性とボールが上がりやすいネック形状です。
ネックの違いは画像からでも分かるので、色々なアイアンを見てみると、ネック形状の違いが分かってきます。
フェースの長さ
フェースの長さでヘッドの開閉度合が分かり、「重心距離」や「ネック軸周りの慣性モーメント」というスペックが影響してきます。
今回はむずかいい事はぬきにして、フェースの長さで何が変わるのかを暗記しておきましょう。
重心距離のイメージ
フェースが長いアイアンは重心距離が長くなり、意図的にヘッドの開閉がしづらく、ゆるやかなターンの動きをします。ゆるやかなヘッドターンはミスヒットに強く、インパクトでパワーを出してくれ、オートマチックなスイングの方におすすめです。
フェースが短いアイアンは重心距離が短くなり、ヘッドの開閉がしやすく弾道を操作したいマニュアル派の方におすすめです。
ソールやトップブレードに厚みがあり、グースネックなら「やさしめ」、全体的に小ぶりでシャープな形状とストレートネックなら「むずかしめ」です。
アイアン用シャフトの種類
シャフトの役割は、スイングで生まれたエネルギーを効率的にボールへ伝え、ヘッドの性能を最大限に引き出し、正確にボールを飛ばすための重要パーツです。
それぞれ異なる特徴があり、体力や求める弾道で使用するシャフトが変わってきます。
実際に発売されているアイアンは、どんなシャフトが装着されているのかを見てみましょう。
純正シャフト
アイアン ロフトの一例 | ||||||
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※例:テーラーメイド2021モデル
アイアンの素材が絞れてきたら、シャフト重量を見ていきましょう。
シャフト重量
ゴルフクラブは、どのクラブも同じフィーリングで振るために、短くなるごとにシャフト重量を重くするのが一般的です。
例:ウッド系シャフト<アイアンのシャフト重量
自分がドライバーを振った時のヘッドスピードが分かれば、ドライバーのシャフト重量とアイアンのシャフト重量を絞れますが、初心者さんはまだ自分のヘッドスピードが分からない方も多いので、参考例ですが体重から選んでみるのも一つの方法です。
初心者さんは、まず使ってみない事には分からない部分も多いと思いますが、初めは感覚的に「ちょっと重いかな?」ぐらいがおすすめです。
装着されいるシャフトもさまざまで、この辺の違いも何となく知っておくと、シャフトが選びやすくなります。
シャフトフレックス
シャフトの素材、シャフト重量が絞れてきたら、最後にフレックス(シャフトの硬さ)です。
シャフトのしなりは、スイング時のタイミングの取りやすさや飛距離に影響してきます。
「L」「A」「R」「SR」「S」「X」と段階的に硬さが分かれてますが、同じ「S」でも、やさしいアイアンは柔らかめ、むずかしいアイアンは硬めなど、硬さに基準はないので、シャフトの種類が変われば同じフレックスでも違う硬さになります。
初心者さんは「自分はどの硬さが良いのか?」が分からない方も多いと思います。最初は自分の握力から、フレックスの目安を絞り込んでみるのもおすすめです。
シャフトフレックスの目安 | |||
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一般的な体力の女性におすすめです。 | |||
効率的にスイングができて、少し力のある女性向け。 | |||
女性でしっかりスイングできる方。一般的な体力の男性におすすめです。 | |||
スポーツ経験があり、平均的な身長/体重の男性におすすめです。 | |||
スポーツ経験者で体力に自信があり、上昇志向の強い方におすすめです。 | |||
パワーがある方におすすめです。純正シャフトにはほぼ設定がないので、メーカーにオーダーするのが一般的です。 |
Myアイアンを探そう!
アイアンを見るポイントはまだありますが、初心者さんがはじめてのアイアン選びでなるべく失敗しない為の、ざっくり見極めポイントをご紹介させていただきました。
性能面だけではなく、デザイン面なども気に入るアイアンが見つかれば、愛着のもてる自分の武器になりますので、画像からでよいので、多くのアイアンを見てみることから始めると色んな面が見えてくるので、お気に入りのアイアンを見つけ、ゴルフを楽しんでいただければと思います。
次回の初心者さんシリーズは、「初心さんが使いやすい!やさし過ぎず、むずかし過ぎないアイアン編(仮)」をお届け予定です。
「5アイアン~PW (ピッチングウエッジ)」
「6アイアン~PW (ピッチングウエッジ)」
「6アイアン~PW,AW (アプローチウエッジ),SW (サンドウエッジ)」
など、モデルによりセット内容が異なります。