どれも同じ形に見えるゴルフボールは意外と選び方がむずかしく、「打感の違いは分かるけど、もう少しボールの違いを知りたい」という声を受け、今回はスコアアップを目指すアマゴルファーさんに向け、『自分に合うゴルフボール選び2019』をテーマにお届けします。
ゴルフは好きなゴルフボールを使えるスポーツ。打感/スピン/転がりなど、自分に合うこだわりのゴルフボールが見つかると、さらにおもしろさが増すかもしれません。
まずはざっくりボールの種類
多層構造になるほど特定の性能(例:アイアンのスピン量アップなど)に特化しやすいメリットがでますが、2ピースや3ピースだから性能が低いわけではありません。
ゴルフボールは、打つ人のレベルや求める性能と合わせる事が最重要課題です。
この辺はざっくり外側の「カバー」と内部の「コア」の組み合わせが関係してきます。
ボールの種類 ディスタンスボール
ボールの種類 ウレタン・ディスタンスボール
ブリヂストン「JGR」「V10」、ダンロップ「スリクソンX」「UX-AERO」、タイトリスト「プレステージ」、本間ゴルフ「TW-X」など、ゴルフボール全体の中では種類が少ないカテゴリーです。
ボールの種類 ツアーボール(スピン系)
※全てのゴルフボールの構造ではありません。
同じ形に見えるゴルフボールも、カバーやコアの硬さや柔らかさ、材質、多層構造などさまざまな組み合わせがあります。
ドライバーからパターまで、自分好みのフィーリングで打てるボールを探すことはむずかしいですが、スコアアップを目指す方はクラブ選びと同じくらいこだわりたい重要なアイテムです。
ゴルフボール ドライバー打感編
ボールのコアは「反発力」「スピン」「打感」に影響をあたえ、ヘッドスピードに合うコアのつぶれ方を選ぶことで、飛距離性能を高めやすくなります。
柔らかめのコアと相性の良いタイプ
ドライバーやウッド系では、『柔らかい打感と打感の重さ:軽め』を気にしながら、しっかり振りぬけるボールなのかチェックしましょう。
硬めのコアと相性の良いタイプ
ドライバーやウッド系では、『好みの硬さ/インパクト時の重さ』を気にしながら、打音や弾き感など、自分のフィーリングに合うボールなのかをチェックしましょう。
ゴルフボール ドライバー打感MAP
赤文字:ツアーボール 緑文字:ディスタンスボール
ドライバーでは、ゴルフボールの打感の硬さと打感の重みは振り抜きやすさに影響しやすく、左上の『打感:柔らかめ』『打感重さ:軽い』ゾーンは振りぬきやすいので、ヘッドスピードが遅めの方やスインガータイプにおすすめです。
右下の『打感:硬め』『打感重さ:重い』ゾーンは、ヘッドスピードが速い方や叩いて打つヒッタータイプにおすすめです。
最近のボールは幅広いヘッドスピードの方に向けたモデルも多いので、ヘッドスピードが遅めの方も使いやすいツアーボールも発売されています。
全体の傾向では、スピン量の多いツアーボールよりも、スピン量が少ないディスタンスボールの方が、飛距離性能が高いモデルが多くなっています。
ゴルフボール ウエッジ弾道編
ドライバーやアイアンのフルショットとは違い、ショートゲームではボールのコアの影響をあまり受けず、カバーに使用されている素材や構造で、打感やスピン性能に影響を与えてきます。
アプローチ ゴルフボールの違い
カバーが硬く摩擦力も低いのでウエッジの溝に食いつきづらく、ボールがすべり上がりやすいので、球離れが早く高い弾道でランも多くでます。
アプローチは左右均等のシンプルなイメージで打ち、カップの手前からランで攻める方におすすめです。
弾道高さとランはディスタンス系とツアー系の中間で、ディスタンスボールよりもスピン量が多く止まりやすいので、キャリーとランの距離感をつかみやすい特徴があります。
カバーが柔らかいので、ボールがフェースに乗ってからしっかり溝に喰いつき、球離れが遅く低い弾道でスピン性能は断トツです。さまざまな打ち方でスピンコントロールをしやすい特徴があります。
ゴルフボール アプローチ弾道MAP
赤文字:ツアーボール 緑文字:ディスタンスボール
今回は30ヤードのアプローチを軟鉄ウエッジで試しましたが、ディスタンス系スピン系の特徴があるなかにも、それぞれ弾道高さやスピン性能が異なります。
左側のゾーンはシンプルな打ち方でキャリーとランで攻める方におすすめで、右側のゾーンは短いアプローチでもしっかり打ち込んでスピンを掛けたり、打ち方でスピンコントロールしたい方におすすめです。
ゴルフボール パターの打感と転がり編
ドライバーやアイアンよりも、パッティングはゴルフボールを自分の一番近いイメージに打てるので、より自分の感覚に合うボール選びが重要になってきます。
・転がり/速め。
・打音/高め
・フェースインサートありのパターと相性◎
・転がり/遅め。
・打音/低め
・フェースインサートなしのパターと相性◎
感覚的な部分では『打音』も打感や距離感に影響を与え、打音が小さいボールはしっかりヒットする意識になり、打音が大きいボールは強くヒットしづらいので、パッティングがショートしやすいか?オーバーしやすいか?も含めて、打音を聞きながらボールを選んでみるのもおすすめです。
ゴルフボール パターの打感と転がりMAP
赤文字:ツアーボール 緑文字:ディスタンスボール
パターの形状やフェースインサートが「ある/なし」でも、打感や転がりは大きく変わりますが、ボールに関してはカバー素材が硬いと距離が伸び、柔らかいほど転がりづらくなります。
パターとボールの相性もありますが、重いグリーンでプレーする事が多い方は、インサートのあるフェースで速めの転がりをするボールで、トーナメントのような高速グリーンで多くプレーする方は、フェース素材が硬めで遅めの転がりをするツアーボールがおすすめです。
ディスタンスボール
タイトリスト VG3
多層コアと反発性の高いカバーにより、高初速と低スピンでドライバーもアイアンも高い飛距離性能を特徴とした『VG3』。ヘッドスピードが遅めの方でも振り抜きやすいややソフトな打感で、「最近パワーが落ちてきたかな?」と感じる方におすすめです。
キャロウェイ スーパーソフト
前モデルよりコアとカバーが柔らかくなり、弾き感と低スピンで飛距離性能とアプローチでのスピン性能を高めた『スーパーソフト』。ヘッドスピードが遅めの方で弾道が上がりづらい方におすすめです。
スーパーソフトよりサイズが3%大きい「スーパーソフトMAGNA」も発売されています。(ルール適合商品)
キャロウェイ E・R・C ソフト
飛距離性能で評判のE・R・Cシリーズから、コアは上位モデルCHROME SOFTシリーズと同じ、ナノテク素材「グラフェン」を採用した『E・R・C ソフト』。振り抜きやすく重さを感じない柔らかい打感、ヘッドスピードが遅めで弾道が上がりづらく、飛距離を求めたい方におすすめです。
ターゲットに対して構えやすい「トリプル・トラックテクノロジー」←便利です!
本間ゴルフ D1
パッケージデザインが変わり、前モデルと同じ飛距離性能を高めた大人気のハイコスパボール『D1』。前モデルは柔らかく球離れの早い打感でしたが、今モデルはやや喰いつくフィーリングが高まりさらにコスパが上がってます。軽めで弾き飛ぶ感覚の打感なので、ヘッドスピードの遅い方やスインガータイプの方と相性が良く、低スピン高弾道で飛距離性能の高いボールです。
本間ゴルフ D1 プラス
2ピースのD1に、スピン性能を高めた3ピースの『D1 プラス』。とにかくボールに飛距離を求めたい方は、D1よりも初速があるD1プラスの方がぶっ飛びます。芯を感じる打感は薄いですが、ツアーボールにハードさを感じる方は、ドライバーからパッティングまでバランスが良い打感で、ディスタンス系の中でも速いグリーンで使いやすいボールです。
ツアーボール
Volbic S3
スピン性能と耐久性に優れた「VU-Xウレタンカバー」を採用している『S3』。ドライバーは軽快な弾き感で安定性が高く、アイアンからパターまでややソフトな打感が特徴です。ヘッドスピード40m/s前後の方で、振り抜きの良いツアーボールを好む方におすすめです。
Volbic S4
S3よりも硬めでしっかりした打感の4ピースボール『S4』。ロングゲームでは弾き感があり直進性が高く、短い距離のアプローチでしっかり打ち込める方は、低弾道でキュキュと止まるスピン性能の高さが特徴です。ヘッドスピード43m/s以上かヒッタータイプの方で、スピン性能を高めたい方におすすめのボールです。
ミズノ RB TOUR
ディンプルの底面と側面を平面にすることで強い弾道を実現する4ピース構造の『TOUR』。ドライバーは軽く柔らかい軽快な打感で、アプローチは適度なスピン量で操作性が高く、パワーのない方が扱いやすいツアーボールです。
ミズノ RB TOUR-X
TOURと同じ4ピース構造でややしっかり感をだしている『TOUR-X』。ドライバーは初速の速い低スピン高弾道で飛距離性能が高く、アプローチも少し硬めの打感ですが、低い打ち出しから激スピンで止めやすいボールです。ヘッドスピードの速い方やヒッタータイプの方で操作性を求める方におすすめです。
キャロウェイ クロームソフト
全ての層を再設計し薄くて軽い新素材「グラフェン」を注入することで、劇的な初速向上とスピン性能を高めた『クロームソフト』。前モデルよりもフェースの食いつきがよく、フェースに乗る柔らかい打感と高さをおさえたストレート系の低スピン弾道で、ドライバーからウエッジまでバラつきの少ない打感が特徴です。キャロウェイと契約している多くの女子プロが使用しています。
キャロウェイ クロームソフトX 19 Triple Track
クロームソフトより硬めのクロームソフトXに、3本のラインを引いた『クロームソフトX Triple Track』。アプローチはやや硬めの打感なので、慣れるまでは弾き飛んでしまう感覚もありますが、スピン性能は高いのでキュッと止まってくれます。この辺の感覚が合ってくれば、ロングゲームでは高初速を武器に飛距離も期待できます。キャロウェイと契約している多くの男子プロが使用しています。
スネルゴルフ MTB BLACK
タイトリスト、テーラーメイドなどの企業で25年間にわたり研究開発に携わり、ゴルフボールに関する40の取得済み特許に名を連ねる、ディーン・スネル氏が2015年に設立。
スネルゴルフは「Pro V1」などの血統を受け継ぐボールを、間接コストを減少させ3分の2の価格で購入できるコスパの良さと、小規模ながらも他の新興ブランドとは違い、ゴルフボールの設計者が立ち上げた品質の高さが特徴のメーカーです。
海外では数モデル発売されていますが、代表モデルは「MTB BLACK」「MTB RED」があり、GolfDigest HOT LIST2018で金賞を受賞しています。
R&A/USGA公認球。
スネルゴルフが新たに開発した低コンプレッション・コアで、飛距離性能と柔らかいフィーリングを実現した『MTB BLACK』。どのクラブも芯のあるソフトフィーリングで、ドライバーでは低スピン、アイアンは操作性が良くアプローチではほどよく上がる高スピン、さまざまなグリーンのスピードに合わせやすいパッティングのタッチなど、コスパの高いバランスの良さが特徴です。
スネルゴルフ MTB RED
MTB BLACKよりもややしっかりした打感で4ピースの『MTB RED』。アイアンはREDの方が柔らかい感じもありますが、ボールをとらえる感覚が強くつかまりの良さがあります。アプローチではBLACKより低い弾道でスピン性能が高く、さまざまなスピンコントロールもできる攻めやすいボールです。
本間ゴルフ TW-X
⾶距離性能とバックスピン性能の実現をコンセプトに開発された『TW-X』。鋭い初速をだすコアとスピン性能の高いソフトウレタンカバー、4種類の深さが違うディンプルなど、最新テクノロジーを搭載させたウレタン・ディスタンスボールです。
ロングゲームは全体的に硬めの打感で打ち出しが低く安定感があり、ショートゲームはソフトで重さのある打感で、弾道イメージや距離感も合わせやすいので、しっかりめのボールでを探してる方は、コスパも良いので試していただきたいおすすめボールです。
スリクソン Z-STAR 2019
今作で6代目となるZ-STARでは、復元性、耐傷特性、耐衝撃性、振動吸収性に優れた高分子材料「SeRM(セルム)」を、世界で初めてゴルフボールのコーティングに配合。飛距離性能を高めながら優れたスピン性能と、従来モデルよりも70%ソフト化させた打感になっています。
ミッド層の硬度を高め高反発化し、さらに外剛内柔度を高めることで高打ち出し・低スピンを実現したソフトフィーリングの『Z-STAR』。
柔らかくほどよい軽さの打感は、ヘッドスピードが遅めの方にもおすすめのツアーボールで、アプローチの食いつき感とスピン性能は前モデルより上回っています。
スリクソン Z-STAR-XV 2019
Z-STARと同じカバー素材にアウターコアを大きく新2層コアで反発力を高めている『Z-STAR-XV』。どのクラブで打ってもZ-STARよりやや硬く重さのある打感ですが、前モデルと比べるとソフトフィーリングになり、アプローチのスピン性能も高まっています。松山英樹選手が使用。
タイトリスト プロV1 2019
2019年4大メジャーゴルフトーナメント初戦「マスターズ・トーナメント」で使用率No.1、国内女子ツアー初戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」でも使用率No.1を獲得。2000年の初登場から20年、トッププレーヤーからの絶大な信頼が「プロV1・プロV1x」の卓越した性能を証明しています。
コアからカバーまですべてが進化した『プロV1・プロV1x』。ソフトな打感と操作性はそのままに、従来モデルよりもスピン量を少なくさせ飛距離性能を高めています。ヘッドスピードの遅い方も扱いやすくアプローチでは適度なスピンで、グリーンのスピードにもあまり左右されない安定感の高さが特徴
です。
タイトリスト プロV1x 2019
4ピース構造でプロV1よりもやや硬めで重さを感じる『プロV1x』。前モデルよりソフトになりながら、しっかり重さを感じられる打感です。アプローチではプロV1xの方がスピン性能が高く、これまで飛距離重視のプロV1xでしたが、今モデルは飛びと操作性をバランスよく両立させています。
テーラーメイド TP5 2019
ツアーボールとして唯一の5層技術を備えた「TP5/TP5x」。4層目に採用された従来より30%高弾性な素材「HFM=HIGH FLEX MODULUS」は、緊密に巻かれたバネのように機能することで素早い反発を生み出し、初速UPを実現しています。
よりソフトな打感でコントロールされた中・高弾道で狙いたいゴルファー向けの『TP5』。ドライバーはしっかりした打感で前モデルより速い球離れで初速アップを狙えます。アプローチでは食いつきのよい打感でスピン性能は断トツの高さです。硬い打感を好むヘッドスピード速めの方で、ショートゲームの操作性とスピン性能にこだわりたい方におすすめです。
ロリー・マキロイ使用ボール。
テーラーメイド TP5x 2019
低スピンの高弾道で真っ直ぐ遠くへボールを飛ばしたいゴルファーに向けた『TP5x』。TP5よりも硬い打感で弾道の高さがやや低く、アプローチは少し高さを出しながらキュキュと止まり、硬い打感と手応えのある重さを好むパワーヒッターの方が、飛距離と操作性を高めやすいボールです。
ブリヂストンゴルフ TOUR B XS
これまで発売されていたツアーボール『TOUR B330 シリーズ』をさらに進化させ、「飛び」と「スピン」の高次元バランスを追求しています。
「TOUR B XS」はスピン性能とソフトフィールを追求し、さらに新ディンプルを採用することで弾道の均一性を向上。「TOUR B X」はコアの大径化と中間層の改良により、反発性能を高めさらなる初速アップを追求し、風に強い弾道で飛距離性能アップを実現しています。
前モデルTOUR B330Sからディンプルパターンを変更し、スピンとソフトフィールが特徴の『TOUR B XS』。しっかりめの重さで適度なボールのつぶれ感と弾き感のバランスが良く、とくにアプローチではフェースに食いつく打感とスピン性能の高さが特徴です。
マスターズ2019ではタイガー・ウッズがTOUR B XSを使用して優勝しています。
ブリヂストンゴルフ TOUR B X
コアの大径化と中間層の改良により、反発性能を高めさらなる初速アップを追求した『TOUR B X』。やや硬めで打ち応えのある重い打感から、フルショットでは初速の速い低スピン弾道、アプローチも勢いよくボールが飛び出しますが、止まりやすい高スピン性能が特徴です。手応えのある打感を好むパワーヒッターの方で、ボールの吹け上がりをおさえたい方にもおすすめです。
ブライソン・デシャンボー/マット・クーチャー使用ボール
ゴルフボール選びはショートゲームのフィーリングが大事
ドライバーで同じヘッドスピードでさまざまなボールを計測してみると、「ディスタンス系」「ツアー系」など同じカテゴリー内では飛距離の差は数ヤード程度で、おどろくほどの大きな差はありませんでした。
ショートゲームの方はボールの特徴がでやすく、思ってたよりも飛び過ぎてしまうボールや、同じグリーンでも極端に転がらないボールなど違いが分かりやすく、フィーリングや距離感の合わないボールは自信をもって攻めづらいので、スコアに伸び悩みの方はボールが原因?の可能性もあります。
また「コレいいかな?」と感じたボールが見つかれば、慣れるためにも継続して使用するのがおすすめです。