前回の恥ずかしくないシャフト選び③グラファイトデザインから数日後、「三菱ケミカル(旧:レイヨン)のかんたんな違いを教えて!」とお便りをいただき、今回は「はずかしくないシャフト選び4三菱ケミカル(旧:レイヨン)編」をざっくりマニアック風にご紹介。
専門的な細かいスペックも大事ですが、アマゴルファーさんは「純正からステップアップして、より自分に合うシャフトはどれか?」を選び、一般ゴルファーさんにナメられないためにもここが勝負のポイントです。
三菱ケミカル(旧:レイヨン)とは?
三菱ケミカルは、最適な材料開発から完璧な成型までを一貫して管理することのできる、世界で唯一のシャフトメーカーです。
その歴史は古く、これまでOEMメーカーとして国内外のクラブメーカーに多くのシャフトを開発・供給してまいりました。
プレミアムゾーンに限れば、世界でもNO.1の供給量を誇ります。
三菱ケミカルより一部抜粋
三菱ケミカルのシャフトは、各ゴルフメーカーの純正シャフト製造から、世界のゴルファーがシャフトに求める、飛距離性能、方向性、フィーリングの全てを、高いクオリティーで実現しているメーカーです。
2017年4月より、連結子会社である三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの3社を統合し「三菱ケミカル株式会社」に社名変更されてます。
三菱ケミカルの勝利実績では、過去の全英オープンを例に見てみましょう。
2014
選手名 | 使用シャフト | |
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R.マキロイ | クロカゲ SILVER 70X | |
S.ガルシア | ディアマナ D103X | |
R.ファウラー | ディアマナ D73X |
2015
選手名 | 使用シャフト | |
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ザック・ジョンソン | ディアマナ B 73X | |
L.ウーストハイゼン | クロカゲ 70X | |
ジェイソン・デイ | クロカゲ S TiNi 70X | |
ダニー・ウィレット | ディアマナ W 60X |
2016
選手名 | 使用シャフト | |
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フィル・ミケルソン | フブキ J 60X | |
S.ガルシア | クロカゲ S XTS TiNi 80X | |
ロリー・マキロイ | ディアマナ S+ 70X | |
A・ジョンストン | Tensei Blue 60TX |
2017
選手名 | 使用シャフト | |
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マット・クーチャー | Tensei CK Blue 60S | |
ロリー・マキロイ | Tensei Orange 70TX | |
ブルックス・ケプカ | ディアマナ D+ 70TX |
2018
選手名 | 使用シャフト | |
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フランチェスコ・モリナリ | Tensei CK Pro Blue 70 TX | |
ロリー・マキロイ | Tensei Orange 70TX | |
ジャスティン・ローズ | Tensei Orange 60TX | |
タイガー・ウッズ | ディアマナ D+ White 70TX |
2019
順位 | 選手名 | 使用シャフト |
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シェーン・ローリー | ディアマナ D+ 70X | |
トミー・フリートウッド | クロカゲ 70X | |
ブルックス・ケプカ | ディアマナ D+ 70TX |
※国内未発売のモデルも含まれています。
※プロは頻繁にクラブ調整を行うため、セッティングは異なることがあります。
世界の上位陣の多くが、三菱ケミカル社のシャフトを使用しています。
今後も、三菱ケミカル社のシャフトが標準装着された商品が多く発売されてくるのが予想され、アマゴルファーさんも今のうち三菱ケミカル社のシャフトの暗記をしておくと何かと使えます。
三菱ケミカル 種類と位置づけ
Photo:三菱ケミカル
三菱ケミカルのシャフトはラインナップが多く、2019年には「TENSEI テンセイ」が加わりラインナップはさらに充実しています。
今回は、標準カスタムに装着されることが多い「Diamana ディアマナ」はじめ、「FUBUKI フブキ」「KURO KAGE クロカゲ」「TENSEI テンセイ」に絞ってご紹介させていただきます。
三菱ケミカル 主要シャフトMAP

RF
BF
DF
ZF
TB
PD
D-Limited
XT
XM
XD
CK Pro Orange
※第4世代、第5世代Diamana、KUROKAGE、TENSEI
※当サイトの試打基準で作成しています。
Diamana SERIES
2004年Diamana S-series(青マナ)の登場以来、幾多のツアー史に残る激闘を彩ってきた伝説の青・赤・白。ツアーという最高峰の舞台で、トッププレーヤーが求める性能を、そのまま製品化することをコンセプトとしたアスリートブランドです。
Dia : ダイヤモンド mana : ハワイ語で超自然の力
素直なしなりの粘り系 Diamana B
Diamana Bシリーズ | |
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3 G M.D.I.設計により曲げ剛性分布・ねじれ剛性分布をより精密・最適化させ、超高弾性材料・ダイアリードをバット部(手元側)のフープ層(カーボンシートの繊維方向をシャフトに対して90°に配置した層)に用いてつぶれ変形を防ぎ、切り返しのパワーを損なうことなくダウンスイングに移行できる特徴があります。



ダウンスイングからは中間部が大きくしなり、速めのしなり戻りからしっかりボールを叩き、左方向のミスを軽減させたい方におすすめです。60gのSはアベレージの方から上級者まで幅広い方が扱いやすく、タイミングのとりやすい打ちやすさは、ドライバーに安定感を求める方とも相性がよく、レベルに応じたヘッドを選ぶことでカスタムの幅も広がるシャフトです。
パワーヒッターと相性がよい Diamana W
Diamana Wシリーズ | |
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「ディアマナ B」と同じ超高弾性材料・ダイアリードをバット部(手元側)のフープ層に用いて、つぶれ変形を防ぎ、切り返しのパワーを損なうことなくダウンスイングに移行でき、切り返しでは手元側のしなりでタメを作る元調子系シャフト。
ボールがフェースに乗る厚いインパクトで、低スピンの強弾道と正確なライン出しを可能としています。



切り返しのリズムがゆっくりめの方や、コックを早めにほどく方と相性が良く、とくにヘッドスピードとミート率が高い中上級者の方で、つかまりをおさえ左へのミスを少なくしたい人におすすめです。
飛距離を求める弾き系 Diamana R
Diamana Rシリーズ | |
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つかまりのよさと打ち出しの高さがあり、浅重心DW/FWヘッドと組み、低スピン傾向とのマッチングを考慮されたシャフト。



極端なダブルキックの動きはしませんが、手元のしなりを感じやすく、ハリ感のある硬めの中間部から、動きのよい先端の素早いしなり戻りでしっかりボールをつかまえやすく、高初速/高弾道で飛距離性能の高いドロー系弾道を打ちやすいシャフトです。
切り返しのリズムがゆっくりめの方や、コックを早めにほどく方はタイミングを合わせやすく、右へのミスを軽減したい方や弾道が上がりづらい方も、シャフトがボールをつかまえやすいので、しなり戻りのスピード感がつかめれば、ミスを防ぎながら飛距離性能を高めやすいシャフトです。
飛距離を求めはね返す力強さ Diamana BF
Diamana BFシリーズ | |
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最も幅広いタイプのプレーヤーにマッチする青の伝統はそのままに、高強度炭素繊維「MR70」とボロン繊維を複合成型した最新素材を使用。中間部~先端部の剛性が強くなったことで、強いしなり戻りとコントロール性能を向上させてます。



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切り返しからの手元のしなりは抑えめで、シャフト全体のスムーズなしなり戻りと剛性の高い先端部が特徴のシャフトです。中間部はゆるやかに動きながら、剛性の高い先端部が素早くパワフルにボールをとらえ、つかまり過ぎずコントロール性も高いので、ドローやフェードと意図した球筋を打ちやすいシャフトです。
クセのない振りやすさと、スピード感あるつかまり過ぎないシャフトが好みな方におすすめで、飛距離性能と操作性を併せもつバランスの良さが特徴ですが、最近のシャフトに多いしっかり感もあるので、HS45m/s以下の方はワンスペック落としてみるとよい結果がでやすく、硬い先端部はとくに大型ヘッドとの相性も抜群です。
ほどよくつかまるスピード感 Diamana RF
Diamana RFシリーズ | |
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シャフト中間部分の剛性を高め、先端部との大きな剛性差をつけることで、インパクト時のスピード感あるシャフト挙動を演出。先端部を高強度炭素繊維「MR70」とボロン繊維などで強化させ、当たり負けを防ぎながら叩いても左には行きにくい安心感、打ち出しの高さと、アスリートが求める程よいつかまりを特徴としています。
前モデルRシリーズの大きなダブルキックの動きよりは、手元側の動きが少しなめらかで、ほどよい先端の走りを感じやすいシャフト(メーカー資料は中調子)。



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先端側に動きがあるシャフトは、ボールのつかまりがよくスピード感と弾き感で飛距離性能の高さが特徴ですが、コントロールしづらいことやつかまり過ぎを警戒する面もありましたが、『ディアマナRF』では先端剛性を強化させ、当たり負けを防ぎながら先端は走りすぎないので、ほどよいつかまりを持たせながら、叩いても左には行きにづらい特徴があります。
トップからの切り返しがゆっくりな方や、タメがほどけやすい方と相性が良く、タイミングのとりやすいしなり感から、素早く動く先端の弾きでボールを叩ければ、高弾道で高い飛距離性能を求めやすいシャフトです。
シャフトがタメを作り先端の動きがボールを上げやすくしてくれるので、オートマチックに振りやすくインパクトのタイミングに集中して打っていけるやさしさもあり、弾道が上がりづらい方、ヘッドスピードがあまり速くない方におすすめです。
スムーズな振り抜きと安定感 Diamana DF
Diamana DFシリーズ | |
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ボロン繊維とMR70素材を使い先端部分を強化させ、飛距離、方向性、スムーズな振り抜きとインパクト時の安定したシャフト挙動を両立させた、これまでにない新設計を特徴としています。



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第4世代のディアマシリーズで比較すると、先端やしなり量もBFやRFよりも剛性が高くなりパリッとした動きから、しなりを少なくしてボールのつかまり過ぎをおさえながら打点の安定性を高めています。
切り返しから手元と中間部にしなりを感じ、ダウンスイングにかけてシャフト全体がスピーディーにしなり戻りますが、タイミングの取りやすいほどよい粘り感もあり、クセのない振り抜きの良さはドロー/フェードともに相性のよいシャフトです。
一般的にはハードなシャフトという位置づけで、さらに硬い先端剛性で「BF」や「RF」と比較すると一番つかまりをおさえ叩けるので、左へのミスを警戒する方と相性がよく、ムダな動きをしない素直な振りやすさで中弾道の安定した方向性を狙えます。
ハードヒッターの方でつかまり過ぎを警戒する方や、打点が安定しない方におすすめですが、アベレージヒッターの方でしなるシャフトが苦手な方や、叩いて弾道高さをおさえたい方は、重量やフレックスをワンスペック落としてみると、扱いやすくなってきます。
飛んで曲がらないを追求した Diamana ZF
Diamana ZFシリーズ | |
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バット部に高強度炭素繊維MR70を使用して、振り遅れを防ぐレスポンスの良さを引き出し、先端部はMR70とボロン繊維を複合成型することで強化しています。
前モデルDFシリーズの安定感に中間から先の走りを加え、さらなる飛びの要素をプラス。シャープに振り抜けるしっかり感を備えた、Diamana初の40g台の軽量スペックが追加され、より幅広いゴルファーに高次元の「飛んで曲がらない」を提供。



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切り返しからは手元側のしなりよりも中間部の張りのあるしなりを感じやすく、インパクトゾーンにかけては中間部がほどよく粘りながら、鋭い先端の弾き感でスピード感のある軽快な振り感があります。
先端剛性はシリーズの中ではいちばん硬いですが、前モデル「DF」よりも中間部が柔らかいのでつかまりがよく、「RF」よりつかまりすぎない中間的な位置づけで、ニュートラルな特性の中元調子のシャフトを探している方と相性のよいシャフトです。
『40-X』『50-S』『50-X』を試打させていただきましたが、曲がり幅の少ないストレート系の中弾道がでやすく、最近のヘッドに多い慣性モーメントが高くあまりフェースの開閉を行わないシャット系のスイングと相性が良く、フェースの開閉を積極的に行う方は、つかまり過ぎを警戒した方が良いかもしれません。
今モデルではスペックも豊富になり、上昇志向の強い女性の方からアベレージクラス、中上級者の方で『軽・硬』セッテイングを試したい方も、しっかりしたハリと剛性の高さがあり、物足りなさや操作性が劣るものもないので、レベルに応じて対応できるラインナップの豊富さも特徴です。
左を恐れずに振り抜ける圧倒的な方向安定性 Diamana D-LIMITED
白マナ系の流れを汲む手元調子の特性に、強靭な先端剛性がヘッド挙動を安定させ、当たり負けすることなく厚くボールを押し出すインパクトを実現。強度の強い炭素繊維「ダイアリード」をバット(グリップ側)部に採用し、スイング中のシャフト変形を最小限に抑え、切り返しの弱々しさを払拭。粘り感のある手元側のフィーリングに、切り返しで溜めたパワーを逃がすことなくボールに伝え、高低、ドロー/フェードを打ち分けやすい操作性の高いシャフトです。



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第四世代ディアマナBF/RF/DF/ZFよりも、いちばん手元側にキックポイントがある手元調子で、「60-S」「60-X」はしっかりした張りのある剛性感ですが、切り返しからほどよい粘り感があり、走りすぎない弾き感と高い先端剛性でパワーをしっかり受け止めてくれます。つかまりと弾道高さを抑えた低スピンに、安定した飛距離性能と方向性を求められる振り抜きの良いシャフトです。
強烈にハードなシャフトではありませんが、ヘッドスピードからフレックスを選ぶよりも、スイングタイプに合った手元のしなり感でフレックスを選択した方がハマりやすく、「50-S」はシャフトの張り感が少なく、ゆるやかな切り返しでインパクトに向けてタイミングを取りたい方におすすめで、スピード感を出してスイングしたい方は「50-X」「60-S」辺りがおすすめですが、オーバースペックの時は左方向のミスが出やすい傾向もあるので、自分に合う手元の張り感がチェックポイントです。
元調子を好まれるパワーヒッターの方も、安心してスイングできるスムーズな振り抜きが好印象のシャフトで、ヘッドの安定性も高くドロー/フェードの方向性の出しやすさ、振った時にはしっかり飛距離と高さを出してくれるので、自分の弾道をより明確に作りたい方におすすめです。
試打スペック ヘッド:SIM MAX
スイング軌道:シャロー
HS43m/s:50-S 50-X
HS48m/S:50-X 60-S
幅広いタイプのプレーヤーにマッチ Diamana TB SERIES
高強度炭素繊維MR70と新開発の#371レジンのコンビネーションで、繊維が持つポテンシャルを最大限引き出し、“骨格”を決める「マンドレル(芯金)」を従来の2倍以上、カーボンシートを様々な形状に切り出し、最適な位置に配置する「パターン」を3倍以上用いて、より緻密なスペックバリエーションを構築しています。
高重量・大慣性モーメントヘッドを最適なインパクト条件に導き、やさしさ=ミスヒットへの寛容性をあわせ持つ次世代へと進化し、あらゆるスペックでも一貫したフィーリング・性能を実現した新世代の精密設計シャフトです。



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第4世代の青マナ「BF」と同様に手元と先端剛性を高めたシャフトですが、『TB』は素材に#371レジン樹脂を織り込むことでマイルドな挙動を感じられ、青マナ系の特徴である素直な振り感をさらに向上させています。
手元の剛性感では「BF」よりもなめらかで「ZF」よりも硬く、シャフトの全体の張り感がマイルドになった印象はありますが、インパクトゾーンではメリハリがあり「BF」よりも先端剛性の高さで弾き打つ感じが強くなり、大型ヘッドのパワーをしっかりボールに伝えやさしく飛距離に変換しやすくなっています。
青マナ系は適度なつかまりと素直なしなりを好む方におすすめですが、しっかりした張り感でスピード感のある振り感が好みの方は「BF」が推奨で、ややマイルドな切り返しからシャキッと先端の弾き感で飛距離性能を求めたい方は『TB』がおすすめです。
飛んで曲がらないを徹底追及! Diamana PD SERIES
NEW
安定感と飛距離の両立をテーマに“先進材料と開発技術”によって飛距離性能を追求し、最新クラブのトレンドを踏まえ最大飛距離を狙いながら、スムーズな振り抜きとダイヤモンドのように強靭な先端剛性の両立を果たしたこれまでにない新設計のDiamanaです。
新世代の共通コンセプトである重量・バット径の最適化を図り、あらゆるスペックでも一貫したフィーリング・性能を実現させながら、より精密で的確なフィッティングを可能とします。デザインもダイヤモンドの輝きを想起させるIP仕上げ。高級感のあるシックなコスメも特徴です。



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第4世代「DF」に近い振り感ですが、パリッとした「DF」に比べ『ディアマナ PD』はグリップ下から中間部へかけての少ししなりを感じながら、中間部、先端部へとなめらからに動く挙動になり、振り抜きの良さが大きく向上したものを感じられます。
白マナの系譜はパワーヒッター向けでしたが、今モデル『ディアマナ PD』はつかまりこそ抑えてありますが従来モデルよりハードさがなくなり、第5世代の特徴でもある先端剛性の高さは大型ヘッド(試打:SIM MAX)と相性が良く、ヘッドのブレが少ないので安定したミート率でしっかり叩け、左方向のミスを軽減しながらも「DF」より弾道は上がりやすいので、飛距離性能、方向性、振りやすさのバランスが取れたシャフトに仕上がってます。
スイングが確立している方で、手元~中間にかけてしなり感でタイミングを取りたい方や、スムーズな振り抜きを重視しながら吹け上がりを抑えたい方におすすめで、手元調子系が好きだけどつかまりや弾道に高さが出せなかった方にもおすすめです。
FUBUKI SERIES
FUSION-BUKIを意味し、「テクノロジーの融合により、これまでにない性能を実現し、プレイヤーの強力な武器となること」をテーマとし、バット部のデザインは、手裏剣と雪の結晶の融合を表現しています。
シャフトのタメを感じたいなら FUBUKI α
国内/海外のトッププレーヤーが使用したことで話題になりましたが、やや遅めのしなり戻るタイミングに慣れてくれば、ボールをほどよくつかまえ安定した方向性をだしやすく、アベレージの方も扱いやすいやさしさがあります。
しなりとタメを自在に操りたいなら FUBUKI K
手元の柔らかなしなり感は「FUBUKI α」に似ていますが、シャフトの動きが大きくなりよりオートマチックにシャフトがタメを作り、ボールのつかまりを向上させています。
ムチのようにゆっくりしならせ、蓄えたタメをゆったり大きく使いながら打ちたい方におすすめです。
飛距離重視の弾き系なら FUBUKI J SERIES
これまでの「FUBUKI」シリーズは手元側のしなりを感じやすい特徴でしたが、『FUBUKI J』は手元のしなり感はひかえめで、手元側に重量配分する独自の「カウンター“ツバ“ウェイト」の採用により、ヘッドが軽く感じ従来よりも軽快に振り抜きやすくなっています。
シャフト全体のしなり量も少なくなり、これまでのゆったりした動きからスピード感のある動きに変わり、鋭い先端の弾き感でほどよくボールをつかまえ、低スピンで飛距離性能の高いシャフトです。
切り返しやスイングテンポの速い方で、やさしさく振り抜きの良いシャフトを好む方におすすめです。
KURO KAGE SERIES
米国ツアーを中心に展開した2種類のプロトタイプ。叩ける強弾道のコードネーム“XTS” は、KURO KAGE XTとして製品化され世界のツアーを席巻しています。よりスムーズなしなりで飛距離も追求したコードネーム“XMS”が、グローバルモデル・XMシリーズとして登場しました。
※2020年12月をもって「XT」「XM」「XD」は製造終了。
パワーヒッター向けの弾き系 KURO KAGE XT
KURO KAGE XT | |
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シャフト先端部にはチタンニッケル金属繊維(Ti-Ni)を複合成型し、当たり負けない低スピンのインパクトを実現しています。



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切り返しからは手元側がほんの小さくしなり、余計な動きはさせずしっかりインパクトさせることで、力強い中弾道で飛距離性能の高いシャフトです。パワーヒッターの方が叩いても当たり負けせず、ボールのつかまりはひかえめで、左のミスを警戒する方やフェード系の方と相性が良く、振り抜きやすく吹け上がらないシャフトです。
やや弾き感もありながらしっかり叩ける剛性の高いシャフトなので、上級者のハードヒッターの方におすすめですが、ヘッドスピードのない方でもフェード系でしっかり叩きたいミート率の高い方は、ワンスペック落として使用してみるのもアリかと思います。
XTよりつかまりとしなり感 KURO KAGE XM
KURO KAGE XM | |
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XTと同様に、シャフト先端部はチタンニッケル金属繊維(Ti-Ni)を複合成型し、当たり負けない低スピンのインパクトを実現しています。



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ほどよいボールのつかまりで弾道も上がりやすいですが、ドロー系のパワーヒッターの方が打つと「ちょっと左を警戒してしまうかな?」といった印象も受けますが、パワーのある方はフレックスを硬くすることで、左の方向のミスを抑えやすくできます。
『XM60-S』では、HS43m/s~45m/Sぐらいのストレート~フェード系と相性がよく、同じヘッドで他社の60g台のシャフトと振り比べても軽快に振りやすく、ディアマナシリーズよりもやさしく飛距離性能も高い特徴があります。
アベレージクラスの方がカスタムシャフトを試してみたい時も、インパクトのタイミングも合わせやすいので、やさしめのヘッドを選び弾き感や叩くポイントを覚えてくると、ドライバーで攻める楽しさが感じられるとおすすめのシャフトです。
XTシャフトの後継モデル KURO KAGE XD
KURO KAGE XD | |
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先端部にある変形しても速やかに元の形状に回復するチタンニッケル金属繊維(Ti-Ni)が、「XT」は1層でしたが『XD』では2層になりインパクト時のシャフト先端部の当たり負けを防ぎ、低スピンの強弾道を生み出しやすい特徴があります。
パワーに自信がない方もやさしくしく飛ばせる50Rや、アスリートのトレンド「軽・硬」のトレンドを抑えた60TXなど14スペックが発売。



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ボールのつかまりも「XT」よりややつかまりやすくなり、方向性を狙いながら弾道高さをおさえ、低スピンで飛距離性能も求めやすいバランスの良さがあります。
ヘッドスピードが40m/s辺りの方で「バランスがよくつかまり過ぎないシャフト」を探してる方は、50g台(フレックス:R/SR/S/X)がラインナップされてますので、元調子系でシャープにしっかり叩きたい方は『XD』を使用してみるのもアリかと思います。
重量感を出したい方は70g/80g台でパワーを活かしたショットや、直進性のあるヘッドと組んで「軽・硬」セッティングで振り抜きをさらに向上させたりと、重量帯やフレックスも豊富なのでカスタムの幅をひろげやすいシャフトです。
TENSEI SERIES
材料開発から一貫生産を可能とする三菱ケミカルのアドバンテージを生かし、選択肢の制限を設けず多様な材料を用いて、プレーヤーが求める性能を実現する『TENSEI』。これまでにない性能を実現するため「数多の材料が、高性能シャフトとして転生する」こと、また天性、転成、点睛にも通じる「テンセイ」をブランド名としています。
海外メジャー競技で最も多くの使用率!CK Pro Orange
TENSEI CK Pro Orange | |
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手元部に高強度で耐衝撃性に優れるケブラー繊維のハイブリッドクロスを使用し、炭素繊維のみでは実現できないフィーリングの良さに、手元に重心があるカウンターバランスの元調子シャフトで、重いヘッドを入れてもスイングウエィトが約2ポイント軽くなるので、スイングスピードを落とさず振り抜きやすい特徴があります。
世界の飛びを幅広いプレーヤーにお届けするよう50g台からラインナップされています。
現在、国内で販売されているシャフトは『TENSEI CK Pro Orange』で、カーボン素材や手元の重量配分など、同じコスメで特性が異なる「TENSEI CK Orange (国内未発売)」も発売されています。
カスタムで組む場合やUS仕様の商品を購入する時は注意が必要で、『TENSEI CK Pro Orange』は手元部に「W」のマークがあります。



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適度な粘り感とゆるやかに動くパワフルな弾き感は、これまでの三菱ケミカルシャフトとは一味違う独特な動きですが、ヘッドのコントロールがしやすくつかまり過ぎない軽快な振りやすさもあり、左を警戒する方が方向性/飛距離に結果をだしやすいシャフトです。
Sフレックスでも硬い部類に入るので、ヘッドスピード40前半の方は重量とフレックス選び(50g-S、60g-Rなど)は気にしたい所ですが、ハード目で打つのか?やさしさを出すのか?を、決めて選べば分厚いインパクトで打ちやすい注目シャフトです。
重量帯やフレックスも豊富で、今後、多くの製品から純正カスタムで発売予定です。
最高級品質を実現するツアークオリティ 三菱ケミカル
アベレージゴルファーからパワーヒッターまで幅広いラインナップがそろい、自分のスイングタイプに合わせやすいメーカー『三菱ケミカル』
初心者の人やヘッドスピードに自信のない人は『FUBUKI』『KURO KAGE XM』がおすすめで、シャフトのしなり戻りとインパクトのタイミングが合えば、扱いやすく飛距離性能を望めます。
アスリート系シャフトはタイプに合う『ディアマナ』から選んだり、パワー系の方は『KURO KAGE XT/XD』、『TENSEI CK Pro Orange』などがおすすめです。
新しいモデルほど、最新素材を使い先端剛性を高めたモデルが多く、「軽・硬」で組みやすいラインナップも多く発売されてます。全体的には素直でつかまり過ぎず、飛距離性能を求めやすいシャフトメーカーです。
トッププロの使用率が高いメーカーですが、ムリをしないスペックを選べばパフォーマンスを上げやすいので、ヘッドの特性を想像しながら楽しんでいただければと思います。