アメリカPGAツアー2017~18シーズン19戦目。
2016年まで故アーノルド・パーマー氏がホストを務めていた『アーノルド・パーマー招待byマスターカード』で、2016年9月のツアー選手権byコカ・コーラ以来、ロリー・マキロイが2季ぶりの優勝を挙げました。
今大会は、アメリカフロリダ州オーランドにあるベイヒルクラブ&ロッジ(7419yd パー72)で行われ、池が巧みにレイアウトされたコースを舞台に、前週2位になり今大会も過去8回優勝しているタイガーウッズ、ケガから復帰し1ッヶ月半ぶりの参戦になる松山英樹、ジャスティン・ローズ、ヘンリック・ステンソンなどメジャー優勝者はじめ、実力者が上位を占める混戦模様で最終日を迎えました。
昨シーズンはケガの影響もあり勝利を挙げられなかったマキロイですが、前週のバルスパー選手権で予選落ちをし、今大会ではクラブセッティングを大きく変更して出場し、テーラーメイドと2017/5に契約してから初めての勝利になります。
2季ぶりの優勝を挙げたロリー・マキロイ
ロリー・マキロイ(28) | |||
---|---|---|---|
2007年から欧州PGAツアーに参戦。2009年欧州PGAツアー「ドバイデザートクラシック」で初優勝を飾り、2010年米PGAツアー「クエイルホロー選手権」で初優勝、2011年「全米オープン」では2位に8打差をつける通算16アンダー(大会史上最少スコア268)でメジャー初制覇を達成。
2012年/2014年「全米プロゴルフ選手権」、2014年「全英オープン」優勝と、25歳でメジャー3勝を挙げ残す4大メジャータイトルは「マスターズ」のみ。キャリアグランドスラムの期待がかかり、ジョーダン・スピース、ジェイソン・デイと共に新BIG3と呼ばれ、スター性や影響力など次世代を担う注目選手です。
米国 14勝
メジャー 4勝
2018年世界ランク13位
2018年FedEXランク24位
2018/3/現在
アーノルド・パーマー招待2018 ロリー・マキロイ
ロリー・マキロイは2016-17シーズンから、テーラーメイドと10年1億ドル(約113億円)の大型契約(金額は推定)をした事が話題になりました。ウェアはナイキゴルフと契約しています。
ロリー・マキロイ優勝セッテイング | |||
---|---|---|---|
1W | テーラーメイド M3 460(8.5°) シャフト:三菱ケミカル Tensei Orange 70TX |
||
3W | テーラーメイド M3(15°) シャフト:三菱ケミカル Tensei CK Pro White 80TX |
||
5W | テーラーメイド M3(19°) シャフト:フジクラ Rombax P95X |
||
4I | テーラーメイド P-750 シャフト:トゥルーテンパー Project X 7.0 |
||
5I~9I | テーラーメイド P-730(Rors Proto) シャフト:トゥルーテンパー Project X 7.0 |
||
ウエッジ | テーラーメイド Milled Grind(48°/52°/58°) シャフト:トゥルーテンパー Project X 6.5 テーラーメイド Hi-Toe(60°) シャフト:トゥルーテンパー Project X 6.5 |
||
パター | テーラーメイド TP Collection Black Copper Soto(Prototype) |
||
ボール | テーラーメイド TP5x |
アーノルド・パーマー招待2018 ロリー・マキロイ使用ドライバー
1W | テーラーメイド M3 460(8.5°) シャフト:三菱ケミカル Tensei Orange 70TX |
寛容性を重視したM2の後継ヘッドがM4になりますが、今期のマキロイは飛距離と直進性を重視したM1の後継モデルM3を使用し、今大会ではドライバー平均飛距離は316.7ヤード、最大飛距離373ヤードを記録しています。
ミスヒットに強く曲がりづらい「ツイストフェース(M3/M4)」、重心深度の移動距離を変えられる「Yトラック・システム(M3)」を使用するマキロイは、ロフト角の少ない8.5°にYトラックは打ち出しを低くする設定にしています。
シャフトはこれまで7年使用していた、US三菱ケミカル「Kuro Kage Silver 70 XTS」から、今大会ではスイングスピードアップと安定性から、低スピン中弾道で攻める中調子US三菱ケミカル「テンセイ オレンジ 70TX(国内未発売)」に変更。
TENSEIは仏教用語「転生(てんせい, てんしょう)」からとった言葉とされ、今大会では大きく転生したマキロイが随所に見られました。
アーノルド・パーマー招待2018 ロリー・マキロイ使用フェアウェイウッド
3W | テーラーメイド M3(15°) シャフト:三菱ケミカル Tensei CK Pro White 80TX |
5W | テーラーメイド M3(19°) シャフト:三菱ケミカル Tensei CK Pro White 80TX |
3Wと5Wは、2017年のテーラーメイド「M2 Tour」から、2018年は『M3』に変更しています。
M2フェアウェイウッドと比較して打感と打音が向上し、弾道イメージをだしやすい構えやすさ、パワーのある方も吹け上がりづらい低スピンなど、上級者が好む高い完成度に仕上がってるヘッドです。ロフト角調整機能付きスリーブ搭載。
シャフトはテンセイ オレンジよりも低弾道で攻める中元調子、US三菱ケミカル「テンセイ ホワイト80TX(国内未発売)」を使用。
アーノルド・パーマー招待2018 ロリー・マキロイ使用アイアン
4I | テーラーメイド P-750 シャフト:トゥルーテンパー Project X 7.0 |
5I~9I | テーラーメイド P-730(Rors Proto) シャフト:トゥルーテンパー Project X 7.0 |
ウッド系のイメージが強いテーラーメイドですが、市販モデルP-730はツアープレーヤーからのフィードバックを忠実に再現したモデルで、中上級者が求める寛容性、操作性に応えてくれるアイアンです。
マキロイのシャフトは、重量のある元調子「トゥルーテンパー Project X 7.0」を使用し、ダイナミックゴールドのような粘り感はないですが、その分シャフトが余計な動きをしないので、上級パワーヒッターの方が自分のスイング通りに狙う、ハードさとシャープな動きをしてくれるパワー系シャフト。
アーノルド・パーマー招待2018 ロリー・マキロイ使用ウエッジ
ウエッジ | テーラーメイド Milled Grind(48°/52°/58°) シャフト:トゥルーテンパー Project X 6.5 テーラーメイド Hi-Toe(60°) シャフト:トゥルーテンパー Project X 6.5 |
今大会、マキロイのウエッジセッテイングは48°/52°/58°を、国内2017/04発売の「MILLED GRIND」と、60°に国内未発売「MILLED GRIND Hi-Toe」の4本を使用。
マキロイの他にも、テーラーメイド契約選手が使用し、今期の勝利数を見てもその性能の高さは折り紙つきで、軟鉄鋳造ですが鍛造モデル並みの柔らかい打感とスピン性能に、フェースの開きやすさと弾道の高低を打ち分けるコントロール性能も高く、打ちやすさと距離感の合わせやすが特徴です。
打ちこむ方はスタンダードバウンス(SB)と、レベルブローの方はローバウンス(LB 56°/58°)の、2種類のバウンスタイプが用意されています。
アーノルド・パーマー招待2018 ロリー・マキロイ使用パター
パター | テーラーメイド TP Collection Black Copper Soto(Prototype) |
マキロイ使用のパターはインサート部を柔らかい素材に変更して戦いに挑んでいるそうです。
今大会は、随所にマキロイのパッティング精度の高さがうかがえましたが、「TP Collection」は意外と値段も安いので、柔らかさの中に芯のある打感としっかりとボールの転がりを求める方に試していただき、距離感が合えばコスパの高いパターになると思います。
現在、国内で発売されているモデルはシルバー色になりますが、マキロイが使用する「TP Collection Black Copper Soto」は、表面をCopper(カッパー、銅)で仕上げられたモデルで、2018年4月に海外での発売が予定されています。
キャリアグランドスラムがかかるマスターズ
今大会では、平均飛距離/アプローチ/パッティング部門で1位の成績を残したマキロイは、キャリアグランドスラムがかかるマスターズに向けて大きな期待がかかっています。
また、マキロイの勝利に立ちはだかるのは、ケガから復帰した松山英樹、5年ぶりの優勝をあげたミケルソン、好調をキープしている復活したタイガーなど、今年で82回目を迎えるゴルフ界最高の祭典「マスターズゴルフ2018」は、とくに目が離せない激戦が予想されます。
「マスターズゴルフ2018」2018年4月5日〜8日(現地時間)開催。
PHOTO:WRX