2017年の海外メジャー第3戦「第146回全英オープン(イングランド/ロイヤルバークデールGC 7156ydパー70)」では、3打差の首位からスタートしたジョーダン・スピースが、1イーグル4バーディ、5ボギーの「69」で通算12アンダーとし、2位のマット・クーチャー(米国)に3打差をつけ、2015年の「マスターズ」と「全米オープン」に続く、3つ目のメジャータイトルを手にしました。
完全優勝でメジャー3勝目ジョーダン・スピース
ジョーダン・スピース(23) | |||
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国籍 | アメリカ | プロ転向 | 2012年 |
身長 | 185.0cm | 体重 | 84.0kg |
中学時代は野球に打ちこみ左利きの左投手として活躍。ゴルフでは右打ち。
16歳で参戦した「全米オープン2012」でローアマチュア獲得など、アマチュア時代からスピースの名は有名で、世界アマチュアランキング1位にもなっています。
プロ転向後の初優勝は2013年「ジョンディアクラシック」になり、19歳11ヶ月17日での初勝利は史上4番目の年少記録。10代の選手がPGAツアーを制したのは82年ぶりの快挙として話題に。
2015年「マスターズ」「全米オープン」とメジャー2勝を挙げシーズン5勝をマークし、22歳2カ月の史上最年少フェデックスカップ年間王者に輝いています。「全英オープン2017」の勝利により、24歳までに3つのメジャー大会を制したのは、ジャック・ニクラスとスピースの2人だけ。
残すメジャータイトルは8月に行われる「全米プロゴルフ選手権」になり、優勝をすると史上6人目のグランドスラムを最年少で達成します。勝負強いパッティングが持ち味の超注目プレーヤー。
全英オープン2017ジョーダン・スピース優勝セッテイング
スピースの契約クラブメーカーは『タイトリスト』。ウェアはアンダーアーマーと契約しています。以前からニューモデルにあまり変更しないスピースですが、全英オープン2017のセッテイングをご紹介。
ジョーダン・スピース優勝セッテイング | |||
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1W | タイトリスト 915 D2(9.5°) シャフト:アルディラ NV 2KXV Blue 70X |
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3W | タイトリスト 915F(15°) シャフト:グラファイトデザイン Tour AD-DI 7X |
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3I | タイトリスト 718 T-MB シャフト:グラファイトデザイン Tour AD-DI 105X |
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4I | タイトリスト 718 T-MB シャフト:トゥルーテンパー Project X 6.5 |
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5I~9I | タイトリスト 716 AP2 シャフト:トゥルーテンパー Project X 6.5 |
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ウエッジ | タイトリスト Vokey SM6 (46-08F/52-08F/56-10S/60-04L) シャフト:トゥルーテンパー Project X 6.0 |
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パター | スコッティキャメロン 009 Prototype グリップ:SuperStroke Flatso 1.0 |
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ボール | タイトリスト Pro V1x |
ジョーダン・スピース2017使用ドライバー
1W | タイトリスト 915 D2(9.5°) |
シャフト | アルディラ NV 2KXV Blue 70X |
ドライビングディスタンス 291.7ヤード 94位タイ(2017/7/24)
タイトリストのドライバーは、2017年モデル917シリーズが発売され、ヘッドが大きいやさしめの高弾道「D2」と、一回りヘッドが小さいアスリートス向け中弾道の「D3」が発売され、スピースは歴代「D2」を使用し、今大会では前モデル915シリーズD2を使用。
D2はミスヒットに強いやさしめのモデルですが、打ち応えのあるしっかりした打感と弾き感があり、高弾道で飛距離を伸ばしやすいぶっ飛びヘッド。ややオープンフェースなので、つかまりが悪いようでしたら弾道調整機能をつかい、自分好みにカスタマイズが可能です。
タイトリスト 915 D2
※旧モデルのため新品の販売は少なくなってます。
※アルディラシャフトは国内純正では発売されていません。
ジョーダン・スピース2017使用フェアウェイウッド
3W | タイトリスト 915F(15°) |
シャフト | グラファイトデザイン Tour AD-DI 7X |
ドライバー915D2と、フェアウェイウッド915Fは、2015年のマスターズ優勝時期から長く使用しています。
飛距離を追求するコンセプトで開発された915F。アドレス時のヘッドの座りがよく、低重心と浅重心設計が打ちやすくミスヒットにも強いフェアウェイウッド。タイトリストのドライバーと相性がよい方は、とくに構えやすさを感じやすい安心感があります。
スピースが使用するやさしめ中高弾道の915Fと、操作性を求めるツアー系915Fdが当時発売されています。
タイトリスト 915 F
※旧モデルのため新品の販売は少なくなってます。
ジョーダン・スピース2017使用ロングアイアン
#3/#4 | タイトリスト 718 T-MB |
シャフト | グラファイトデザイン Tour AD-DI 105-X(#3) トゥルーテンパー Project X 6.5(#4) |
2015年マスターズ優勝の頃は「915H.d」ユーティリティを使用していましたが、ここ最近は中空マッスルバック「718T-MB」に変更しています。
「718T-MB」は#5~PWまでセット販売され、単品販売の#2~#4では、ロングゲームに精度をもたらすアイアン型ユーティリティになり、シャープなフォルムで構えやすく、飛距離性能と高弾道が特徴のクラブ。
歴史に残る13番の起死回生「練習場ショット」を打ったクラブは718T-MB-#3
2016年マスターズ最終日では、後続に5打差をつけ首位にいたスピースでしたが、12番(パー3)でよもやの「7」を叩き敗れたスピース。今大会も12番までスコアを3つ落とし、悪い流れのまま13番(パー4)から打ったティーショットは、観客席を超えコースから120ヤード右に反れながら、立っていられないほど急な斜面の深いブッシュの根元に入りアンプレヤブル。
30分の協議の末、球をドロップする平坦な場所に選んだのは、ヤーテージブックにも載らないトラックが並ぶ隣の練習場からプレーを再開。
3番アイアンで打った第3打はグリーン手前まで行き、ダブルボギーでもおかしくない場面をボギーでしのぎ、この時点で同伴するクーチャーが単独首位に浮上しましたが、この後のスピースは14番バーディー、15番イーグル、16番17番も連続バーディーと、一気にスピースの流れになり優勝。
起死回生の「練習場ショット」で流れが変わり、2016年マスターズのトラウマを全英オープンで解消することができ、今大会で大きな武器となった「718T-MB-#3」
これまでシャフトはDI-95-Xを使用していましたが、10g重めの105-Xに変更。
タイトリスト 718 T-MB
ジョーダン・スピース2017使用ウエッジ
ウエッジ | タイトリスト Vokey SM6 (46-08F/52-08F/56-10S/60-04L) |
シャフト | トゥルーテンパー Project X 6.0 |
スピースはウエッジを4本でセッテイングを組み、46°/52°は、フルショット時の抜けのよさとバウンス効果を最大限に発揮できる「Fグラインド」を使用。
56°はトレーリングエッジ側を少し削り、スクエアに打った時はバウンス効果があり、フェースを開いた時はバウンス効果をやや抑え、操作性とミスへの許容性が高い「Sグラインド」
60°は国内正規発売はされてない、多めのグラインド(削り)が特徴的な、スピンやフェースコントロールを活かす「Lグラインド」を使用。
アイアンのシャフトより、ウエッジの方が軽いシャフトを使用し、PGAツアーで見られる軽いシャフトにスイッチする流れが見受けられます。
タイトリスト Vokey SM6
ジョーダン・スピース2017使用パター
パター | スコッティキャメロン 009 Prototype グリップ:SuperStroke Flatso 1.0 |
スピースの強みはパッティングにあり、15歳から使用するスコッティキャメロン「009 Prototype」を愛用しています。柔らかな曲線の009は、やや平型形状の構えやすさと、ソフトカーボンスティールのヘッドにオイルカンフィニッシュを施した、打感の柔らかさが特徴です。
総重量350g、ロフト角4°、ライ角71°。
全く同じパターは市販されていませんが、ヘッドタイプ009の同型パターは発売されています。1stメジャー・チャンピオンシップと単一トーナメント26バーディの記念に、スコッティキャメロンから「Inspired by Jordan Spieth」として、全世界1500本限定のジョーダン・スピースのインスパイア・モデル パターが過去発売。
スコッティキャメロン 009
※在庫の変動が多い為、こまめにチェックしてみてください。
ジョーダン・スピース使用キャディーバッグ
アメリカの米国のバッグブランドで、キャディバッグはカスタムを中心に、PGA、LPGAツアープロの使用率が高いブランドです。シンプルなデザインで使い勝手がよく、高品質の合成皮革を使用しながら意外と価格は安く、あまり人が持っていないブランドです。
バッグが一つ売れるごとに、世界中の恵まれない子供達にスクールバッグを寄付するチャリティ活動も活発なブランドです。
次なる目標はキャリアグランドスラム
ツアーゴルフの大会で、世界最高峰のゴルフトーナメントと呼ばれる試合が年に4回あり「4大メジャー」と呼ばれています。今回、ジョーダンスピースが優勝した全英オープンは、1860年に開催された世界最古の歴史あるメジャー大会。
4大メジャー | ||
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名称 | 期間 | 初開催 |
マスターズ | 4月第2日曜日 | 1934年 |
全米オープン | 6月第3日曜日 | 1895年 |
全英オープン | 7月中旬 | 1860年 |
全米プロゴルフ選手権 | 8月初旬 | 1916年 |
※ツアー日程の影響により変更の場合もあります。
1年間で4大メジャーを制覇することを「グランドスラム」と呼び、1934年マスターズ開催以降の達成者は居ません。そして、生涯のうち4つのメジャーを制覇することを「キャリア・グランドスラム」、2回制覇することを「ダブル・グランドスラム」、3回制覇が「トリプル・グランドスラム」と呼び、「トリプル・グランドスラム」達成者は、
ジャック・ニクラス(アメリカ、1966年/1971年/1978年)
タイガー・ウッズ(アメリカ、2000年/2005年/2008年)
メジャー3冠を獲得してる人はスピース含め18人で、近年ではマキロイはマスターズ、ミケルソンは全米オープンで優勝すれば「キャリア・グランドスラム」達成になり、スピースは、キャリアグランドスラムについて「僕の人生のゴールであり、キャリアのゴールだ」とコメントを発表しています。
8月に行われる全米プロゴルフ選手権でスピースが優勝すれば、史上6人目のキャリアグランドスラム達成になり、それを阻止するミケルソンや全米プロに強いマキロイとの攻防、松山英樹選手の戦いぶりなど見応えのある大会と予想され、8月も形から入るアマゴルファーさんはメジャー大会から目が離せません。
第99回全米プロゴルフ選手権 8月10日~13日
ノースカロライナ州シャーロット
クウェイルホロークラブ
(2015年大会でロリー・マキロイが優勝した時のコース)
放送予定日時
【地上波】フジテレビ系列(一部地域を除く)
第3日
8月13日(日)3時45分~ 生中継
最終日
8月14日(月)3時5分~ 生中継
【BS】BSフジ
第1日
8月11日(金)3時~ 生中継
8月11日(金)17時~ ダイジェスト
第2日
8月12日(土)3時~ 生中継
8月12日(土)16時~ ダイジェスト
第3日
8月13日(日)17時30分~ ダイジェスト
最終日
8月14日(月)17時~ ダイジェスト
※放送終了時間予定です。