ゴルフクラブを選ぶ時、飛ぶドライバーや狙えるアイアンなど、”そそられる”キャッチコピーの商品や、ネットのレビュー、試打動画などを参考にするアマゴルファーさんも多いと思います。
実際に使用してみて「飛ぶと評判だったのにそれほどでもないな?」「むずかしかった」など、そんな経験をした方がとても多く、合わないからまた買い替えの「買い替え”負”のスパイラル」に入る方、作り上げたスイングを「クラブに合わせるスイング作り」にしてしまい調子を崩す方は、根本的に自分のスイングに合うクラブの『重心』が合ってない可能性があります。
スイングと『重心』が合ってないゴルフクラブは、「振りづらい打ちづらい=力んで飛ばない/右や左へ飛んで行く」など、ナイスショットの確立が低くなりゴルフをむずかしくしてしまいます。
今回はざっくりですが、ゴルフクラブの『重心のイロハ』をポイントに、自分に合いそうなゴルフクラブを見つけるヒントを見つけていただければと思います。
ゴルフクラブはむずかしい?
野球のバットやテニスラケットは、シャフト軸の延長線上に「重心」があるので、感覚的にボールを捉えやすいスポーツ用具です。
ゴルフクラブはL字型で、シャフト軸の延長線上から外れた位置に「重心」がある少し特殊な構造が、ゴルフクラブを扱う上でむずかしさがあります。
他のスポーツよりもクラブに長さがあり、重心から離れたグリップを握ってスイングするので、打点のコントロールもしづらく、道具を使うスポーツの中でもゴルフは難しいシャンルと言われています。
現在は、ひと昔前のゴルフクラブと比べ、低重心化や大MOI設計などヘッドの思想も変化し、それに伴い今後スイング理論なども変化している転換期でもあります。(2014年現在)
重心距離とは?
重心距離の違い
重心距離が短いヘッドは、ヘッドがターンしやすい特徴があります。ヘッドの返りがよいのでスライスを防ぎやすいですが、素早いリストワークでボールをつかまえたり、ボールを操作したい方に向いています。
重心距離が長いヘッドはヘッドがゆっくり大きくターンする特徴があります。ヘッドが安定しやすく、ボディーターンでヘッドのエネルギーをしっかりボールに伝えられると飛距離を伸ばしやすい。
最近のヘッドはミスヒットに強く、ヘッドのパワーを出せる重心距離の長いヘッドが多くなってます。重心距離の長いヘッドはヘッドが返りづらいのでフェースが戻りきらず、右方向のミスが出やすい傾向もあります。
重心距離の短いヘッドを使ってた方が、重心距離の長いヘッドでスイングすると、フェースが戻りづらく振りにくいと違和感を感じる方が多いようです。トップからダウンスイングにかけて、開いたフェースをボディーターンで軽く円運動させるとフェースは簡単に閉じてくるので、ボディーターンの度合いを多く取り入れてみるのもおすすめです。
また、切り返しからクラブヘッドを背中側に大きく倒すシャローイングの動作も、インサイドからクラブが入りボールをしっかりつかまえられます。クラブの進化と共にこの辺のスイング理論も今後注目されくると予想されますので、要チェックのポイントです。(2014年時点)
重心深度とは?
重心深度の違い
重心が前方にある重心深度が浅いヘッドは、インパクトでロフトが立ちやすく、低い打ち出しでスピン量が少なくなりやすい。
重心が後方にある重心深度が深いヘッドは、インパクトでヘッドが後ろに押されづらくロフトも安定しやすいので、打ち出し角とスピン量を確保しやすい。
ウッド系ですと、一般的に重心深度が浅いクラブはヘッドの厚みがあり投影面積が小さく、重心深度が深いクラブはヘッドが薄く投影面積が大きくなっています。
ヘッドスピードの速い方は、吹け上がりを抑える重心深度浅めで、ヘッドスピードの遅い方や弾道が上がりづらい方は重心深度深めがおすすめです。
重心角とは?
重心角が小さいとヘッドが返りづらく、ヒッカケを抑えやすくなります。
重心角が大きいとオートマチックにヘッドが返りやすく、スライスを抑えやすくなります。
重心距離 | ||
重心距離短い |
重心距離と重心深度の組み合わせ
重心距離短め×重心深度浅め
ヘッドがターンしやすい「重心距離短め」と、低い打ち出しで低スピンの「重心深度浅め」のヘッド。ヘッドの操作性が良く、低スピン弾道でさまざまな球筋を打ち分けやすい特徴があります。
重心距離短め×重心深度深め
ヘッドがターンしやすい「重心距離短め」と、打ち出し角とスピン量を確保しやすい「重心深度深め」のヘッド。ヘッドの操作性がよく、弾道も上がりやすいのでミスヒットに強い特性があります。
重心距離長め×重心深度浅め
ゆっくりヘッドがターンする「重心距離長め」と、低い打ち出しで低スピンの「重心深度浅め」のヘッド。ヘッドがゆっくりめにターンしやすいのでヘッドのエネルギーが伝わりやすく、ヘッドスピードのある方が低スピン弾道で、飛距離性能を求めやすい特徴があります。
重心距離長め×重心深度深め
ゆっくりヘッドがターンする「重心距離長め」と、打ち出し角とスピン量を確保しやすい「重心深度深め」のヘッド。しっかり叩いても左へのミスを抑えやすく、パワーのない方も高弾道を打ちやすい特徴があります。
まずは振りやすいクラブかをとことんチェック
ゴルフスイングとクラブは千差万別なので、「合う人も居れば、合わない人も居る」という事は分かっていますが、自分のスイングに合う『重心』クラブを選べれば、クラブを変えるごとにスイングを改良することも少なくなり、とくに練習量があまりとれない方も要チェックのポイントです。
重心距離などのスペックを公表していないメーカーも多いですが、何をどうやってもミスショットの出る確率が高い方は、素振りをした時に自分のスイングに合うヘッドの返り方をしているか?など、重心ポイントを意識して再チェックしてみるのもおすすめです。